帰国子女受け入れ校の教育を考える -明徳義塾中学・高等学校-

この先、わが子に日本の学校教育を受けさせたいと思った時、どんな学校を選べばよいのか。また日本でどういった教育を受けることが出きるのか。そして何より、どんな学校がわが子を受け入れてくれるのか・・・。
疑問や不安が次々と浮かぶ。ひとくちに「帰国生受け入れ校」といっても、日本の学校の受け入れ方針や試験内容、入学後のカリキュラムはさまざまだ。

先日、タイからの帰国生を過去複数名受け入れている明徳義塾中学校・高等学校の説明会が本補習校で開かれた。
高知県須崎市に位置する明徳義塾は、ボーディングスクール(寮のある学校)として、海外から多くの外国人留学生を受け入れている。同校の卒業生には、プロサッカー選手の三都主アレサンドロ(第19期卒業)、横峯さくら(第26期卒業)らが有名で、多くの一流スポーツ選手を輩出してきたことでも知られている。
スポーツが盛んな学校というイメージが強いが、いっぽうで、明徳義塾の海外帰国子女受け入れ教育は、評価が高い。
1991年に「日本語コース」を設置し、日本語を母国語としない生徒たちへの日本語教育制度(JSL)を確立。海外経験が豊かな帰国生の個性を伸ばしながら、日本語や日本語力のさらなる伸長を望む海外子女を、独自の日本語カリキュラムで支援する。

なかでも特に力を入れているのが「読書」。子供たちは年間で最高120冊、少なくともひと月30冊のペースで本を読む。そして、読んだ後には、必ずその本に関するエッセーを仕上げる。これが同校のエッセー・ライティングなる授業だ。
「エッセー・ライティングとは、読んだことを理論的に理解し、自ら考えたことを的確に人に伝えることを目指す授業です。いわゆる一般的に言う作文とは異なります。子供たちは「読む」→「考える」→「発表する」というプロセスをここから学び、最終的に、論理的に相手を説得する力を身につけます」(明徳義塾・広報入試部長 増田裕介先生)
読む・考える・表現する能力は、すべての教科を学ぶ上で共通して求められる基本的なチカラ。学問の礎となる能力だとする。
国際バカロレア教育を導入している国内外のインターナショナルスクールでは、すでに定着し、高い成果を挙げている教育カリキュラムだが、日本国内で本格的に導入している学校はまだ少ない。

20年もの歴史を持つ明徳義塾の日本語教育。近年では、タイ、ベトナム、インドネシアなどアジア地域からの生徒から熱い視線を集めている。なかでもタイからの帰国生は増えて、
「現在4人、今後も数人の入学がすでに決まっています。彼らを見ていると実にユニークで、好きなことを極めたい、とみんな変意欲的です。また真面目で何事にも真剣に取り組む姿勢があります。周りの子供たちとも上手に付き合える協調性があるのもタイの子供たちの特徴だと感じています」(増田先生)

明徳義塾の特徴をひとことで言うなら、大きくこの3点があげられるのではないだろうか。①全寮制で、生活指導も徹底している面倒見のいい学校。
②日本語のさらなる伸長を目指した丁寧な指導。
③さまざまな国からの生徒との交流による、真のグローバル教育への期待。

ただし、入学に関しては一定レベルの日本語能力が望まれるので、前もって日本語力をある程度養っておく必要がある。

中学・高等学校を日本で、と考えた時、わが子がここタイで過ごし、この国で学んだこと。そしてこの国の文化を誇りに思いながら自分らしさを発揮できるような学生生活を送って欲しいと願う。そのためにも、まずは子供と学校との相性をしっかりと見極めることが大切だ。さらに、校風や教育方針、部活動や学校行事、卒業後の進路など、できるだけ細かくチェックしたい。だが、インターネットや口コミなどによる情報収集にはやはり限界がある。
魅力ある学校を見つけたら、まずは現地を訪ねるのが何より手っとり早いだろう。

どんな学校でも年に数回オープンキャンパスが行われている。明徳義塾では、7月末からサマーキャンプが開催される予定。実際の学校生活を体験できるチャンスだ。

参考URL
http://www.meitoku-gijuku.ed.jp/taiken/form.html

http://www.meitoku-gijuku.ed.jp/

by 香川真紀子

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